ふとした一言で心が軽くなってパフォーマンスが上がる現象
長いGWが終わって、明日から仕事に戻ります。たぶんめちゃくちゃ忙しくなる予感がします。
自分は忙しいと結構まわりが見えなくなって、気分の浮き沈みが激しくなりがちです。ちょっとしたことですごくテンションが上がったり悲しくなったりします。もちろん仕事なのでやりきるわけですが、 こういう感情の起伏は仕事のパフォーマンスに大きく影響します。すぐに疲れてしまったり全然集中できなかったり、要するにろくなことがないです。
その起伏の波が最底辺まで沈んだ時、どうやってテンションを戻してたかなぁと考えてみると、 誰かのふとした一言で一気に心が軽くなったことが多かった気がします。なんだか単純な性格みたいですけど、思い返して見るとやはりそういうことが多かったなぁと思うわけです。
GWが終わり、明日から最大のパフォーマンスで仕事するために、今まで助けられた言葉を思い出しつつ整理してみようと思います。
あくまで自分の経験に基づく一意見なので、絶対的にこうすべきみたいな話ではないです。思考整理の一環ということでお願いします。
自分の実力不足による失敗が一番つらい
自分が仕事で一番落ち込むのは、 実力不足に起因する失敗です。
不甲斐なくて申し訳なくて、悔しさとか焦りとか色んな感情が入り交じってよくわからなくなっちゃうやつです。かっこよく成功させるのが理想だったのに、予定より長くかかってしまったり他のメンバーに迷惑をかけてしまったりして、情けなさすぎて凹むということが今まで何度もありました。
仕事では初めてのことや難易度の高いことも多いので、日々何かに挑戦しているような状態が続きます。当然失敗もたくさんします。失敗は次に活かせばいいと頭では思いつつも、どうしても凹んでしまうのは仕方がないことなんじゃないかなぁと思うんですよね。たまにものすごいエネルギッシュで常に前向きな超人みたいな人もいるんですけど、そういう人ですら凹んでしまうのを今まで何度か見てきました。
自分は開発の仕事しかしたことがないんですが、どんな職業でも一度は失敗をして辛くて悔しい思いをしたことがあるんじゃないかなぁという気がします。
自信がなくなるとパフォーマンスも上がらなくなる
で、そういう失敗をするとどうなるかというと、自信がなくなるんですよね。失敗が何度も続くと、さらに自信がなくなっていきます。
これは自分が特に当てはまるだけなのかもしれませんが、自信がなくなるとパフォーマンスを上げられなくなります。 やらなきゃいけないのはわかってるのになかなか手につかず、手についてもエンジンかからない状態になってしまいます。
こうなると気持ちを切り替えようと思ってもなかなか難しくて、どんどん心が重く沈んでいきます。比例してパフォーマンスも下がっていくという悪い循環に入ってしまいます。
ふとした一言で心が軽くなることもある
そういう状態になったことは何度もあるんですが、 まわりからのふとした一言で心がすっと軽くなることも結構多かったなぁと思うんですね。
一番よく覚えてるのは社会人2年目の初めのことです。
超でかい問題が発生してマネージャー全員が1ヶ月くらいそちらに取られて、他の仕事が大量に回って来たことがありました。毎日必死でやって何とかこなそうとしたんですが、コンサルさんからは怒られるわ開発の締切も間に合わないわで、色々なことがうまくいかない状態が続きました。
で、だいぶ消耗して自信がなくなってきた時に、尊敬していた他部署の先輩とふらっと立ち話をしたんですね。この会話は、今でもよく覚えています。
先輩「おぉ、こにふぁー最近どう?」
おれ「うーん…なんか全然ダメです」
先輩「まじかw どしたの?」
おれ「かくかくしかじかで、仕事が死ぬほど降りて来て潰れそうなんですよね…」
先輩「なるほど。まぁなんと言うかさ、 仕事っていうのはできる人のところに積まれるものなんだよw これ本当にそう」
この 「仕事っていうのはできる人のところに積まれるものなんだよ」という言葉を聞いた時に、なんかビックリするくらい肩の荷が軽くなったんですよね。普通に社交辞令的な励ましだったと思うんですが、そうだとしてもなぜだか心に響きました。
他の人が聞くと 「え?そんなこと?!」と思うかもしれないんですが、自信をなくしている人の心理状態というのはなかなかわからないもので、本当にふとした一言で一気に救われたりするみたいです。
席に戻るとなんかよくわからないけど疲れもなくなっていて、目の前の仕事に集中できました。で、だいぶ遅れはしましたが仕事も何とかやりきることができたわけです。
ふとした一言が処方箋となる
先の言葉は、たぶん言った本人も覚えていないんじゃないかなぁと思います。ですが、自分にとってはまさに魔法のような言葉で、忙しくて自信をなくしそうになる度に思い出すようになりました。 テンションが下がった時の自分の処方箋になったわけです。
矢沢あいの漫画『天使なんかじゃない』で、主人公翠の親友マミリンが「あたしは、冴島翠みたいになりたい」と言う名シーンがあるんですが、そのセリフの後に続く言葉が、自分の感覚に近いです。
額に入れて胸の真ん中に
一生飾っておきたいようなせりふだった
どんなにつらい時でもそれを見れば
勇気を取り戻せる賞状のように
冴島翠 #天使なんかじゃない
— 天使なんかじゃないbot (@midori_Angelbot) 2013, 4月 14
額というよりはお守りという方が近いかもしれません。テンションを戻す処方箋のような言葉を持っていると、少し気持ちが楽になるっていう話ですね。
ちゃんと言葉にして伝えるのが大事かも
自信をなくしている人は、本当にふとした一言で心が軽くなることがあります。
例えば「ありがとう!」と一言声をかけるだけでもだいぶ変わるかもしれません。 感謝とか賞賛の気持ちというのは、思っている以上に人に伝わらないからです。
なので、思ったことを言葉にして伝えるのが大事なんじゃないかと思うんですよね。無理して褒め合おうとかではなくて、すごいなと思ったら「すごい!」と伝えて、ファインプレーだと思ったら「さすが!」と伝えるみたいに、思ったことをちゃんと伝える意識を持ってみるということです。
自分は締切ギリギリな時とかにそういう一言を聞くと、元気が湧いてきてもう一踏ん張り頑張ろうとポジティブになれることもあります。
もちろん馴れ合いみたいになったらダメなんですが、 要は思ったことをちゃんと言葉にして伝えた方が士気もパフォーマンスも上がりやすいんじゃないかという話です。
ただ、これはチームやメンバーの雰囲気によるところも大きいので、もちろん全部がうまく行くとは思っていません。そういうことをいちいち言われたら逆に癇に障るという人もいるかもしれません。
あくまで自分の今のチームでは結構そういう言葉を伝える雰囲気ができていると思っていて、テンションをあげやすくていいなぁと思った次第です。特に、うまくいかなくてメンバー同士どう感じてるかわからなくなってきた時ほど、お互いが思ったことを伝え合うようにした方が気持ちが楽になると思うんですよね。
SHIROBAKOの一言の引用
SHIROBAKOには、自信をなくしかけたキャラが何人か登場します。その時にまわりのキャラが言うセリフが本当に秀逸で温かい気持ちになるので、最後に3つほど引用して締めたいと思います。
- SHIROBAKO 22話『ノアは下着です』 : 自信をなくしていた絵馬ちゃんの絵を見て言った杉江さんのセリフ。
「これは僕には描けないなぁ。安原さんにしか描けない絵だ。いいね。」
- SHIROBAKO 11話『原画売りの少女』 : 先輩アニメーターが絵馬ちゃんを推薦した時のセリフ。
「良いんじゃない?安原さん、女の子の柔らかい動きうまいなぁって思ってたんだ」
- SHIROBAKO 3話『総集編はもういやだ』 : 先輩デスクの本田さんがみゃーもりにかけた言葉。
「もっとなんでも言ってくれていいから、一人で抱え込まないで。失敗しないで成長した制作なんて俺知らないもんね。」
こういうふとした一言をかけられたキャラの表情がふっとゆるむところとかすごく共感できるので、 やっぱりSHIROBAKOは最高だと思うんですよね。
明日から頑張ります。俺たちのGWはここからだ!