FlutterでDroidKaigi 2018のiOSアプリを作りましたという記事を書いた後、Appleの審査で何悶着かありもう公開は無理だと諦めていたところ、DroidKaigi当日の2018年2月8日に奇跡的に審査が通りApp Storeからインストールできるようになりました。
色々な人に知見をいただき、本当に感謝しています。iOSアプリを開発している人にとってはよくあることなのかもしれませんが、自分にとっては新鮮な体験だったので忘れないうちに時系列で残しておこうと思います。いつか、どこかの誰かが同じ思いをした時に少しでも助けになれば嬉しいかぎりです。
1/31 (水) 残り8日 - 初Submit
かいた
— こにふぁー (@konifar) 2018年1月31日
DroidKaigi 2018のセッションの題材として、iOSアプリをFlutterで作って申請しました。セッションの時間の都合上当日話せなそうなことをざっとまとめました
FlutterでDroidKaigi 2018のiOSアプリを作りました - Konifar's WIP https://t.co/6QljxPHoPM
DroidKaigi当日まで残り8日の時点で初めてのsubmit。自分にとっては人生初のiOSアプリsubmitで気分が高揚しました。
結構ギリギリだなぁとは思いつつも、普段の業務では翌日には承認されていたのでまぁ大丈夫かなと考えていました。
2/1 (木) 6:11 残り7日 - 初Reject
最初のRejectはめちゃくちゃ早かったです。
要するに 「Androidって文字を入れちゃダメ。アプリの説明にもメタデータにも入ってるから全部決してやり直し。ローカライズしてたらそっちの方も忘れずに消すんだよ」 とのこと。この時、勘違いして Droid もダメなのかと思ってしまったんですが、Droid自体は特に言及されていなかったですね。
ですが、日にちも迫っていたので念のため 「Android
は消すけど DroidKaigi
は同名の一般社団法人が運営するカンファレンスの名前なんだよ。変えなくていい?」というメッセージを送りました。
2/1 (木) 10:44 残り7日 - Appleからの返信
即返信がきました。
意訳すると 「君がその法人のオーナーじゃないならDroidKaigiという名前を使うのはよくない」とのこと。ぐぬぬぬ。
さらに、「アイコンもAndroidのキャラクターになってるからちゃんと直すんだよ」と釘を刺されてしまいました。
アイコンの置き換えはすぐに解決しました。
アイコンはこれにすればDroidじゃないって言えるな pic.twitter.com/YOOIMSYmmj
— こにふぁー (@konifar) 2018年1月31日
問題はDroidKaigiの権利云々の話です。どうしようかと思っていたところ、Twitterで強い方々から続々と助言をいただきました。
そのパターンの場合、権利関係を明確にする書面のコピーを送れば解決するかと思います。日高さんに一筆書いてもらう。他社著作物扱うアプリなどの場合(動画とか書籍とか)、その手の契約の存在を説明して解決したりしますので。
— Yoshiaki NAKANISHI (@chun_ryo) 2018年2月1日
承諾書を提出すればよいと思いまする。例として他のアプリで出した承諾書Dで送りましょうか?
— Yuki Anzai (@yanzm) 2018年2月1日
その話が @mhidaka さんにも届き、対応していただけることに。
お。わかりました。この時期は社印手元にあるのでクイックに対応できるかと。 @yanzm もフォローありがとね
— mhidaka@DroidKaigi (@mhidaka) 2018年2月1日
余談ですが、@mhidakaさんの「この時期は社印手元にあるので」という言葉すごいなと思いました。
その後、@yanzmさんと@mhidakaさんとDMでやりとりして、『コンテンツ利用に関する承諾書』を作成。同日18:36にAppleに返信とともに送りました。
2/1 (木) 19:01 残り7日 - 二度目のSubmit
すべてのAndroid文字を消し、Droidくんの耳も削って再度Submit。
とりあえずDroidくん排除してAndroid文字列抜いてリベンジ
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月1日
2/2 (金) 10:21 残り6日 - スクショのAndroid文字列を発見
あとは審査を待つだけだと思ったのですが、ふと申請中の画面を見ていたらセッション一覧画面のスクショの中にAndroidという文字が含まれているのを発見。
セッション一覧でAndroidという文字が含まれない場所なんかあるんか…?DroidKaigiだぞ…?と半ば諦めながら探していると、奇跡的に発見しました。
DroidKaigiの一覧画面で奇跡的に`Android`という文字が入っていない状態をRoom5の中に発見して勝利も近い
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月2日
あと6日あるし、勝ったなと思っていました。この時は。
2/3 (土) 2:00 残り5日 - InReviewにステータス変更
InReview. Aの裁きを待つのみ
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月2日
2/3 (土) 14:00 残り5日 - 審査中
DroidKaigi conference-appのレビューのスピード感に慣れていたからか、レビューが遅いなと感じました。
12時間経ったけどAの裁き遅いな
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月3日
2/4 (日) 12:30 残り4日 - 審査中
Submitから3日経ち、平均審査時間を過ぎたが審査中のまま変わらず。だんだんと焦ってきました。
このサイトも参考になりますよ!https://t.co/fZbUjzhZBl
— Kosuke Ogawa (@koogawa) 2018年2月3日
ユーザーからの投稿を集計して、最近のレビュー日数を出してくれます
iOSの審査時間長いのわかってはいても、Androidは1~2時間で公開されるのに対してiOSは2~3日かかる上にテスターガチャもあるの大変なんだな
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月4日
2/5 (月) 10:27 残り3日 - Appleに問い合わせ
間に合わなかったら悲しいのでA神に問合せ送ったでござる
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月5日
しかし反応なし。
2/5 (月) 15:15 残り67時間 - 初めての特急申請
できることはすべてやっておこうと思い、初の特急申請を出しました。
初特急申請
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月5日
こちらのフォームから必要事項を入力し、ReasonにTime-Sensitive Eventを選択して「申請時に書いたけど日本時間の2/8 (木) 10時から始まるDroidKaigiに間に合わせたい。遅くとも2/7 (水) 中にはレビュー終わらせてくれ」みたいなことを書いて送りました。
DroidKaigi前に俺は何をやっているんだ
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月5日
2/6 (月) 0:44 残り55時間 - 神に祈る
A神ー!!レビューしてくれー!!!
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月5日
2/6 (月) 1:25 残り56時間 - Appleからの返信
意訳すると 「遅れてすまぬ。急ぎの連絡承知したが、もう少し時間がかかるゆえしばし待たれよ。結果は後日メールにて確認されたし」 とのこと。
2/6 (火) 12:24 残り43時間 - 自分で配布することを決意
さらに10時間経っても返信がなかったため、もうリリースは諦めて自分で配布することに。
A神がその気ならこちらにもTest Flightで配布する準備がある
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月6日
最初はTestFlightを使おうと思ったのですが、DroidKaigiスポンサーのdeploygateでもできると@shirajiさんが教えてくれました。
スポンサーにDeployGateさんがいらっしゃいますよ!
— shiraji (@shiraj_i) 2018年2月6日
deploygateの中の人も登場し、アドホックなら100台までいけると教えてもらいました。
まあ100人もインストールしないと思うので十分です!やってみますね!
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月6日
傍若無人なA神は捨ててDG教に入信します
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月6日
2/6 (火) 15:07 残り42時間 - deploygateの中の人が検証
自分は本業に勤しんでいたのですが、その間にFlutterで作ったアプリを配布できるかを検証していただけたようです。ありがとうございました!
FlutterのiOSビルド周りを調べてあれこれしてる
— Yuki Fujisaki / tnj (@tnj) 2018年2月6日
実はこの検証で見つけた問題を修正してリリースまでしていただけたようで、本当に感謝しています。
ルートディレクトリでflutter build iosを実行後にiosディレクトリでdg deployを実行するとビルドできるのは先程確認しました!
— へんてこ@技術書典4 (@henteko07) 2018年2月6日
2/6 (火) 23:36 残り34時間 - deploygateで配布開始
Flutterで作ったDroidKaigi2018 appをdeploygateで配布はじめました。数に限りがあるようなので、UUIDの登録は様子を見ながら順次行なっていきます。Android appは後ほど配布します #droidkaigihttps://t.co/yURQR45jad pic.twitter.com/e84uUZDJf4
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月6日
deploygateでのiOS app配布、マジでめちゃくちゃ簡単ですごかったです。皆さん使うといいですよ。
その後は登録していただいた皆さんのUDIDを登録して再配布していきました。
2/7 (水) 9:42 残り24時間 - 神に祈る2
おはよーーー!!!Appleおきてええええええええ!!!
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月7日
が、音沙汰なし。
2/7 (水) 12:54 残り21時間 - テスターが30人になる
UDID登録しました。現在30人くらいなのであと70人くらいいけるみたいです https://t.co/lQfWJiH9lY
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月7日
この後、最終的に50人くらいになりました。
2/7 (水) 14:00 残り 19時間 - 二度目の特急申請
もうリリースを諦めてはいましたが、最後にもう一度お願いしておこうと思い二度目の特急申請を送信。
As I said many times, this app should be released by the conference day, 8th Feb (Tomorrow!) I asked you to review asap. Can you finish today? I hope your quick review seriously. Thanks.
意訳すると 「何度も言ってるけどDroidKaigi(明日!)に間に合わせたいんだよ。今日中に終わるの?マジで頼む」 みたいな感じで送りました。
2/7 (水) 23:26 残り10時間 - 神を恨む
A神はTime sensitive eventといくら言ってもレビュー間に合わせる気なさそうだけど、いくら時間かかろうと絶対にリリースしてやるからな
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月7日
2/7 (木) 1:56 残り8時間 - ミラクルが起きる
登壇準備をしていると、急にメールがきて思わず二度見しました。
オッ?!
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月7日
オォ?!!
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月7日
iTunes connectのページを見てみると、審査が通っていてApp Storeからインストールできる状態に!
Finally DroidKaigi 2018 Flutter has been approved for the App Store!https://t.co/WznMTIjZUW
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月7日
うおおおおおおおDroidKaigiって名前が天下のAppStoreにwww https://t.co/npLd2Z6e90
— PSN: k-imanaka (@pside) 2018年2月7日
しばらくすると、『droidkaigi』というキーワードで検索できるようになりました。
App Storeでdroidkaigiと打つと出てくるようになったhttps://t.co/WRqAc9ry2Y pic.twitter.com/OfHlbUy1UI
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月7日
結果的に、DroidKaigi開催まで残り8時間というすごいタイミングでリリースできました。Appleありがとう。
正直、Appleの審査がこんなに大変だとは知りませんでした。普段iOS開発している人は本当に大変なんだなと感じました。
リリースは大変でしたが、自分の発表時間に「DroidKaigiのiOSアプリを使ってる人?」と聞いてみたら半数くらいが手を上げてくれてビビりました。
そういえば #droidkaigi_room3 に来ていただいた方の半分くらいiOS app使っていただいていてDroidKaigiとは…?ってなったhttps://t.co/WznMTIjZUW
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月9日
iOSアプリがあってよかったと何人かの人から声をかけられて嬉しかったです。
iOSのリリースのために色々と助言いただいた皆さんありがとうございました! @kikuchyさんのKotlinNative版も未だ審査中みたいなので、なんとか通るよう祈っています。
余談ですが、今回iOSアプリのリリースができたことで、妻にも一人前と認めてもらえそうです。
iOSアプリをちゃんとリリースできたら、嫁氏に「Androidしか作れない半人前」と言われることもなくなるはずだ
— こにふぁー (@konifar) 2018年2月1日