Konifar's WIP

親方!空からどらえもんが!

圧倒的に成長している時は実感がない

若いヨルダン人エンジニアの後輩がいるんですが、彼は本当に前のめりで成長に対して貪欲です。

入社してすぐに「家で勉強するのに良い資料はありますかッ?!」と聞いてきたり、GW前には「何を作ったらいいですかッ?!」と聞いてきたり、とにかく勢いがすごいです。こういう訳がわからない前のめりさはとても重要だと思っていて、何かしら力になりたいなぁと思ったりします。

で、この前も昼時に 「konifarさんは新卒の時どんな風に成長したんですかッ?!」と聞かれまして。覚えてることを話したんですが、ふわっとしたことしか話せなくて申し訳なくなってしまいました。

自分でも成長とは何なのかよくわかってないなぁと感じたので、思考整理してみようと思います。

未来の成長は想像しにくい

自分は正直、『成長する』というのがどういうことなのかよくわかってません。

就活の時に、「他の会社の5年分を1年で身につけられますよ!」みたいな『成長』をキーにした謳い文句を見て、すごいなぁとは思ってたんですけど、それが成長というのかはよくわからなかったです。これは就職してからも同じでした。

なぜピンと来ないのかと考えてみると、 自分が成長した未来の姿というのは想像しにくいからだと思うんですね。特に就活の時なんかは、自分がどんな仕事をするか決まってもいないのに、成長した先の姿を考えるのはかなり難しいんじゃないかと思うわけです。

逆に、過去の自分と比べると成長がどういうものか想像しやすいです。例えば、自分は10年前にはブラインドタッチもできなかったなぁと考えると、その時よりは成長したと言える気もします。もっと極端に言うと、赤ちゃんの頃は歩けなかったと考えると、今は明らかに成長してると言えるんじゃないかなと思うわけです。

理想のイメージを更新する

じゃあ未来の成長をどう考えるべきか、というところなんですが、正直自分の場合は普段あんまり成長を意識していません。

意識してるのは、 理想の自分のイメージを常に更新するということです。

自分は今まで尊敬できる同僚や外部のエンジニアさんにたくさん出会ってきて、「すごいなぁ、こうなりたいなぁ」ってイメージが常に更新されてるんですよね。で、そのイメージに近づけるように頑張って、何か目に見える結果が出た時に振り返ってみたら、 あぁこれがいわゆる成長ってやつかと感じるだけです。

例えば、新卒の時に4つ上の先輩がすごい速さでPCを操作してる姿を見て、「この人はすごい人!この人みたいになりたい!」と思ってショートカットキーを全て真似しました。その後、別の部署の1つ上の先輩がvimでコードを書いてるのを見て、「なんだこの人!かっこよすぎる!」と感じて、同じThinkPadキーボードを買ってvimキーバインドに変えました。また、外部のエンジニアさんがRailsで1日でサービス作ってるのを見て、「やばい!自分もできるようになりたい!」と思って業務外の時間にPlayFrameworkをキャッチアップしました。

そういう体験が本当にたくさんあって、ちょっとずつ「こうなりたい」という理想のイメージが更新されていきました。これは、自分の思うかっこいい姿と言い換えてもいいかもしれません。

そう考えると、自分は「成長したい」というよりも、 理想のイメージが更新されるようなすごい人がいる環境に常に身をおきたいなぁと思うんですね。自分の性格上、そういう刺激的なイメージがあればたぶん勝手に頑張るので、結果としてそれが成長につながっている気がします。

圧倒的に成長している時は実感がない

で、そういう刺激的な環境に身を置いているとどうなるかというと、辛くなったり焦ったりします。あくまで自分の場合はですが、 周りがすごい人だらけだと自分の価値をどう出せるかわからなくて怖いんですよね。

新卒の時にあるバッチプログラムを6倍速くらいにした時は成長したなぁと思うんですが、当時はめちゃくちゃ大変でした。先輩がやったら3日くらいで終わるんだろうなぁとか考えながら、2週間以上かかったりして、自分がチームの足を引っ張っている気がしてかなりしんどかったです。

成長したなぁと感じることは何度かあるんですが、実感できるのはいつも決まって乗り越えた後です。仕事をしている時に「やばい、俺いま圧倒的に成長してる…!」みたいに感じることは、今まで一度もなかった気がします。いつも目の前の仕事を必死でやり続けていて、ふと振り返ってみるとなんか成長したかもなぁと感じるだけなんですよね。

圧倒的に成長している時は実感がないことがほとんどです。実感はないですが、しんどくて大変な時ほど成長してる気がします。あくまで自分の経験上の話ですが、まわりを見てみてもそういうことが多いんじゃないかなぁと感じます。

実感がないので、本人としては成長しているかどうか不安になるんですよね。自分の力不足に凹んだり失敗しすぎて泣きたくなったりした時なんかは特に。自分の価値がないような気がしてしまいます。ですが、後で振り返ってみるとそういう時ほど成長しているものなんですよね。

もし成長したいなら、 『自分の理想のイメージを常に更新し続けながら、それに近づくようにひたすら頑張る』というのがいいんじゃないかなと思います。そうすれば、結果として振り返った時に「圧倒的に成長した気がする…!」と言えるようになる気がします。

理想のイメージを作るのはまわりの先輩や上司だったりするので、後輩のヨルダン人エンジニアにとっての理想のイメージを更新させられるくらいに、自分自身もっと頑張っていきたいなぁと思いました。