アニメ『輪るピングドラム』に、 「きっと何者にもなれないお前たちに告げる」という名言があります。最近このセリフにある『何者にもなれない』焦りを感じることが多いです。
頑張って色んなことを勉強すればするほど何もできない自分に凹んでいくというか、なんだかよくわからないけどすごく焦ってしまいます。この 『なんだかよくわからないけど焦る』という感情を抱えた状態は結構しんどいので、ちょっと自分の思考を整理して言語化しておこうと思います。
と言ってもあくまで自分の感情の整理なので、論理的に矛盾しているところもあるかもしれません。すみません。。。
きっと何者にもなれない焦り
「あぁ自分はまだ全然ダメだなぁ」とか「こんなことして何やってるんだろう」と考えて、言いしれぬ焦りを感じてしまうことがあります。
まわりから見ると大して気にすることでもなかったりするんですが、本人からするとものすごく気になってしまうんですよね。
「隣の芝生は青く見えるもんだよ」とか「年齢重ねると気にならなくなるよ」とかアドバイスをいただくんですが、やはりどうしても 『自分は何者にもなれないんじゃないか』という焦りを感じずにはいられないわけです。
自分の理想とする姿とのギャップ
どういう時にそういう焦りを感じるかというと、FacebookやTwitterなどで誰かが活躍してるのを見た時が多い気がします。なんだか妬みの強い嫌な奴みたいですが、振り返ってみるとそういうタイミングが多いです。
例えばGWの終わりに、 「こんなサービス作りました!GW中に完成できてよかった!」みたいなTweetを見た時とか。自分もバッチリ色々成果出せてたら何とも思わないんですけど、うまくいっていないこともあって。そういう時にちゃんと成果を形にしている人を見ると、「やばい、自分全然成果出せてない…」とすごく焦ってしまいます。
これは、人と自分を比較して凹んでるのかなぁと思ってたんですが、よく考えてみたら実はそうではなくて、本質的には 『自分の理想の姿』と比べているんじゃないかと思うんですよね。『自分の思うかっこいい姿』と言い換えてもいいかもしれません。
努力の足りなさが露呈して凹む
こんな風になりたいなぁという姿はあって、そこに向かって努力を積み重ねていかなければならないのもわかっているわけです。
例えば『自分の作品をたくさん持っている人かっこいい』みたいなイメージがあったとして、その理想に近づくためには日々時間を取って自分の作品を作っていく必要があります。
ですが、時間がかかってなかなか思うように進まないこともあります。で、そういう時に友だちが「こんな作品作った!」みたいな発表をしたりすると、焦ってしまう。さらにそれがバズって話題に上ったりすると、もうめちゃくちゃ焦ります。
なんというか、 自分の努力の足りなさが露呈してしまったような気持ちになるんですよね。先に目に見える成果を見せられることで、「自分、口だけ野郎じゃん…」と凹んでしまって、それが焦りの要因になるわけです。
しかもそういう時って頑張ってないわけではないので、もっと頑張らなきゃと焦るのは結構しんどかったりします。もちろん刺激も受けて「よし!自分も負けてられん!」という気持ちにもなるので、そういう友だちの発表自体はすごくいいことなんですよ。けど、そうは言っても焦りを感じずにはいられないわけです。
やればやるほど視野が広がって自分の小ささを思い知る
それでも頑張っていれば、ある程度成果は出てきます。自分も会社のアプリの大きな機能を作ってリリースしたり、何度かコンテストで入賞したり、GitHub公開したツールに結構スターついたりと、少しずつ目に見える成果が出てきました。
ただ、やればやるほどもっとすごい人が見えてくるというか、 自分の小ささを思い知らされるんですよね。
例えばGitHubに公開してスターを集めたツールも、もっとすごいツールをたくさん公開してる人がいるのを見ると、自分の代表作ってこれ一個だけしかないんだよなぁと感じてしまいます。
なんかすごいネガティブっぽいですが、本当に やればやるほど視野が無限に広がっていく気がするんですよ。世界中にすごい人はいっぱいいるし、色んな新しい技術も日々進化しているし。ブログに知見を書いたりしていても、「自分偉そうに語ってて恥ずかしい、実績もそんなにないのになぁ」みたいな気持ちがよぎってしまうことがあります。
強みを複数持つ方がいいのかも
エンジニアは、日々色々なことを勉強しておく必要があります。日進月歩ではなく秒進分歩と言われるくらい、技術の移り変わりが激しいからです。
新しい技術が次から次へと出てきます。その分やりたいことも増えますが、全部はできないのでいくつか選びながらやっていくしかありません。しかし、1つの分野をある程度極めてもさらに視野が広がって焦りが増していくことになります。
どうしていくべきなのかなぁと悩んでいた時に、村上福之さんのこんな記事を見ました。
一つの分野を100%極めるより、三つの分野を30%極めた方が楽だし強い
学習曲線を考えても、80%以上を極める時はけっこうつらい。パレートの法則で20%の知識で80%のことはできる。だから、広い分野で20%~30%ずつできた方がいい。
つまり、 強みを少しずつ複数持つのがいいんじゃないかという話です。1つだけを極めるのもいいんですが、やればやるほど視野が広がる中でトップレベルを目指すのはかなり大変だろうなぁと思っていたので、この話は腑に落ちました。
自分が今得意なのはAndroidなんですが、WebやiOSなど他の部分をある程度のレベルまでキャッチアップしていくと、また感じ方が変わってくるのかもしれません。
結局がむしゃらに前に進むしかない
最後は精神論みたいになってしまうんですが、 焦りを感じてしまった時はがむしゃらに前に進むしかないんじゃないかなぁと思っています。これは、自分が以前に見てきたアニメから感じるところが大きいです。
さくら荘のペットな彼女の中で、 同居人の天才 椎名ましろへの焦りを乗り越えた空太のセリフを思い出します。
「やばいよなあ、本気になるって。帰ってきて、椎名が連載が決まったって聞いたとき、自分が否定されているような気がした。心がくじけそうだった。本気だったから。後悔からも、悔しさからも、逃げも隠れも出来なかった。 でも、だったら簡単なんだ。やるしかない! この気持ちをぬぐうにはやるしかない! ダメでもダメでもやるしかない!」
また、SHIROBAKOの丸川社長のセリフも身に染みました。
「 ただがむしゃらに、ひたすら前に進んでた。やりたい事をやり続けていた。そして気が付くとこの年になってた。それだけさ。」
結局、 気持ちを切り替えてやるしかないってことなんですよね。やると決めたら迷わず全力でやるしかないって話で。やはりがむしゃらに前に進むことでしか、この種の焦りはぬぐえないんじゃないかなぁと思うわけです。
同じくSHIROBAKOで自分の力量不足に焦りを感じていた絵麻ちゃんに、杉江さんが以下のような言葉を伝えています。
「出来れば食べられる。出来なければ辞めていく。アニメーターはそういう仕事だよ。」
自分の抱えている焦りは理想の自分とのギャップから産まれているものなので、それを振り払うためには 焦りを抱えながらも頑張っていくしかないんだなぁと思わされました。
アニメ脳と言われるかもしれませんが、ポジティブな気持ちになれるなら別にいいんじゃないかなぁと思ったり。ただ頑張るしかないよって普通に言われるよりも素直に受け止められたりするんですよね。つまり何が言いたいかというと、 SHIROBAKOは最高ってことです。
目の前のことから全力でやる
ということで、とりあえず目の前の仕事や個人プロジェクトに全力を注ごうと思います。まぁ当たり前っちゃ当たり前のことなんですが。
焦ったり凹んだりした時は、自分なりに気持ちを整理してみるのいいですね。結構楽になるのでオススメです。人に話してみるだけでもいいかもしれません。自分の気持ちを正直に人に話すのって感情が溢れてしまうので難しいんですけど、不思議と自分の思考が整理されてスッキリしたりします。
個人的には、苦しそうでも頑張ってる人って皆魅力的だなぁと思います。自分自身のことだとそんな風に思えないんですけどね。。。
『何者にもなれない焦り』はこの先も感じると思いますが、その焦りを抱えながらがむしゃらに前に進んでみようと思います。
余談ですが、先にあげた『輪るピングドラム』の「きっと何者にもなれないお前たちに告げる」というセリフは、人によって少し解釈がわかれます。興味があれば下記をご参照ください。