Kyashに入社して2年くらい経ちました
入社1年3ヶ月くらいの時に近況を書いてから9ヶ月くらい経ちました。入社して2年くらい経ったのでまた自分の備忘のために近況を書き残しておこうと思います。いわゆる在職エントリです。
やっていたこと
開発 : 採用 : その他 = 2 : 4 : 4
くらいでやっていました。5月に素晴らしいAndroidアプリエンジニアの@_Cordeaが入社してくれて、実は自分はここ数ヶ月Androidの開発をほとんどやっていません。Android、iOSの細かいタスクをやったり、サーバーサイドAPIのドキュメントやモックを書いたりする一方で、他のメンバーがタスクに集中できるようにプロジェクトの細かいボールを拾ったりしています。
この9ヶ月間でやっていたことを書き出すとこんな感じです。
- 開発
- 送金請求画面の改善
- 海外加盟店決済後の為替変動時の対応
- 未使用のリソースを定期的に削除するスクリプト作成
- 64bit & App Bundle対応
- ログイン時のSMS認証
- 採用
- スカウト、面談、面接
- オフィスアワー開催
- 構造化面接の整理
- 入社後のオンボーディングの整理
- CREの紹介記事公開
- WEB+DB Press特集記事の執筆 (3月発行予定)
- その他
Android開発については5月入社の@_Cordeaが凄まじいスピードで進めてくれて、ざっとあげるだけでもこの半年で以下をやってくれていました。
- 登録カードの3Dセキュア対応
- ウォレット画面のデザイン変更
- ポイント機能
- AndroidXの導入
- ライブラリ更新、アーキテクチャの刷新
- R8対応
- 実験的機能*2の仕込み
- New Kyash Card対応 (Now)
書ききれないので割愛しますが、これ以外にもたくさんのことをやってくれていて日々刺激を受け感謝しています。同じくすごいスピードで開発をしてくれているiOS担当のメンバーに対しても同様の気持ちです。
第一子出産
この9ヶ月間でもっとも大きかった出来事は、7月の第一子出産です。もともとKyashには長期のリモートワーク制度はありませんでしたが、シャチョーやEMと話をして週4リモート週1物理出社でやっていくことにしました。その後、妻や息子の様子を見ながら 2週間有給休暇 → 2ヶ月週4リモート → 1ヶ月半週2リモートという感じで少しずつ働き方を変えて、今は元どおり週5で物理出社しています。
ご存知の方も多いと思いますが、リモートワークをうまくやるにはリモートする本人だけではなくチーム全体で働き方を調整する必要があります。成果を出しやすいようにタスクや情報共有を工夫していただけたおかげで、そこまで苦労することなく自宅で仕事ができました。
リモートワークの工夫
自分が工夫していた点を1つあげるとすれば、出社時の対面コミュニケーションでしょうか。オンラインでのやりとりが多くなると、お互いに気を遣いすぎてしまったりちょっとした行き違いでイライラしたりと神経をすり減らしがちなんですよね。この対策として、オフラインで顔をつき合わせてコミュニケーションを取っておくとオンラインでのコミュニケーションのコストが劇的に減ります。これは、海外拠点が多かった前職のQuipperで身に沁みて感じていたことでした。
そのため、リモート中に何か気づいたことがあるたびに自分の出社日のタスクリストに追加していました。例えば「○○さんに△△の件の礼を言う」「最近猫を飼い始めた○○さんと猫の話をする」といった感じです。書き出してみると子どもっぽく感じるかもしれませんが、対面の雑談コミュニケーションをタスク化するのは自分にはうまくハマっていたように思います。
今は16:30に退社、17:30に風呂、18時に自分の飯、18:30にミルク、19:00に寝かしつけでひと段落という感じです。最初は睡眠時間が細切れでちょっとキツかったですが、最近は20時〜翌7時までは爆睡してくれるので体力的には何の問題もなくなりました。我が子ながら、かなり育てやすい方だと思います。
一方、自分の時間の使い方はまだ下手で、集中する時間が思うように取れず他のメンバーと比べて自分が何の成果も出せていないと不安になることもあります。寝かしつけ後に作業することもわりと多いです。育児や家庭はコントロールしづらい部分が多いので、それ以外の部分では余裕を持てるようにうまいことやっていきたいですね。
チームの現状と課題
ありがたいことにエンジニアの数は少しずつ増えてきました。入社してくれたメンバーの中にはスクラムマスターもいて、スクラムをきちんと学んだことのない自分にはプロジェクトの進め方など勉強になることが多いです。
完全にイチメンバーとしての意見ですが、いま一番課題に感じていることをひとつ挙げるなら『プロダクト開発における意思決定のスピード』ではないかと思います。シャチョーはとてもビジョナリーで対外交渉能力もズバ抜けていて、今後どうなっていきたいかという展望も明確に持っています。しかし、それを具体的に実現していくスピードはまだまだ改善の余地があると感じています。これは他のFintechのサービスのリリースのスピードを見て客観的に感じることでもありますし、社内の会議の様子を見ていてももう少し改善できるなぁと思うことでもあります。
プロダクトリリースまでのスピードを上げる方法は色々あります。仕様の手戻りをなるべく少なくしたりコミュニケーションロスをなくすためにドキュメントを工夫したり、いわゆる現場レベルでできることもたくさんあります。もう少し上流だと、プロダクトロードマップとその目的を明確にしてメンバーに浸透させることも重要です。
このあたりの課題感は普段からEMやPMに伝えていますが、どう解決していくかはまだ模索中という感じです。自分は意思決定に責任を持っているわけではないですが、最近はpmconfの資料やINSPIREDなどの本を読んだりしながら、何かヒントがないかと探しているところです。
クライアントチームの中でも課題は色々あります。iOS、AndroidのPull Requestレビューを自分がやっていますが、正直細かいところまで指摘できていません。層の厚い会社であれば、Pull Requestの中でもっとよい指摘や議論をしているかもしれないと思うと、今のレビューのレベルではメンバーのテンションを下げてしまうのではないかと不安になることもあります。
この課題に関しては、自分が時間を確保する方法ではスケールしないので、採用を強化して層を厚くすることで解決するのがよいと考えています。そのため、今は採用関連のタスクを自分の最優先タスクとして置いています。もしKyashで働くことに興味が沸いたら@konifarまで気軽にDMで連絡をください*3。
最近の悩み
これは完全に個人の悩みの話ですが、2年もいると社内で自分の声が大きくなっている気がして「もしかして俺がチーム内の空気を悪くしているんじゃないか」「口だけの面倒くさい奴になってないか」と不安になることがよくあります。例えば、自分はこうしたいという意見をぶつけた時に沈黙になってそのまま通ってしまったりとか。役割やファシリテーションの問題と言ってしまえばそれまでですが、後で意見したこと自体や伝え方について反省することが多いです。
直接話してみると考えすぎだと気づくことも多いのですが、どうしても気にしてしまうんですよね。逆に意見をはっきり言ってくれるメンバーをとてもありがたく感じるので、ちゃんと反応を返して取りこぼさないようにしたいと思っています。
とはいえ、自分にとってはまだつらいレベルではなくコントローラブルなレベルです。そもそも自分は闇落ちする前に必ず言語化して伝えるので社内のメンバー特にPMやEM、シャチョーは不安にならないようにしてほしい、とここに書いておきます。
これからの半年
色々ありますが、2年経ってもまだKyashのプロダクトと会社を気に入っています。これまでいくつかのプロダクト開発に携わってきましたが、家族や知人など近しい人たちが使ってくれるプロダクトを作るのはやはり楽しいです。
メンバーとのランチ時も必ずプロダクトの話になるので会話に困ることもありません。妻に新しい機能やデザインの話をすると「よさそう、それはいつ使えるようになるのか?」とピュアな煽りを受けるのも楽しみの一つです。
出産の記事を書いた時やKyash Directリリースのツイートをした時には、面識のないFintech協会の方やユーザーの方から送金をいただきました。結構な額をいただいてしまったので、自分も還元するべく知人のめでたいツイートを見かけるたびに半ば反射的に金を投げつけるようになりました。
勢いのある他の決済サービスに対して焦りはあるかと聞かれることがあります。まあないわけではないんですが、決済サービスのシェアの奪い合いという点よりは、開発スピードや対外的な見せ方といった点でKyashよりすごいなと感じて焦りを感じることはありますね。事業についても気にはなりますが、そこはCEOやProduct Ownerの責任領域ですし彼らを信じているので自分はいかによい形で実現してユーザーに届けるかというプロダクト開発面に集中したいと思っています。Kyashでは専門性の高いメンバーが強みを活かしてプロダクトを作っていると強く感じられる点もよいところだなと思いますね。
そんなわけで、先のことは正直わかりませんが少なくとも次の半年もKyashにいるだろうと思います。
ちなみに、この記事はKyash Advent Calendarの1日目の記事です。1年前にはKyashのメンバーだけでAdvent Calendarを書けるようになるとは想像していなかったのでなかなか感慨深いですね。半年後にはプロダクトもチームもどうなっているのか楽しみです。Kyashのプロダクトについては色々な意見はあると思いますが、生暖かく見守ってくれると嬉しいです。その分応えられるようがんばります。
では、最後はいつものようにこれを置いておきます。Let's Kyash!
kyash_id: konifar
*1:期待合わせ会はQuipper社の記事を見てよさそうだったのでやってみることにしました わたしたちがチームであるために"期待合わせ会"をやりました、という話 - Quipper Product Team Blog
*2:これについてはまだ周知できてないのですが、いい感じにお知らせしたいと考えています
*3:DMくれと言ってきたことはほとんどないんですが一応書いておきます