Konifar's WIP

親方!空からどらえもんが!

新人にイラついてしまった時の備忘

組織にとって新人は期待の風です。しかしその期待の振り幅が大きい分、逆にイラついてしまうこともあります。

「何回も同じこと注意するの嫌だなぁ」とか「もっと考えてきてほしいなぁ」というのがよくある話ですが、ふとした時につい強く言ってしまうことがあるんですね。で、あとでいつも後悔するわけです。イラつきというのはそれ自体で何かがよくなるわけではないし、無駄に疲れるし、自分にとっては害でしかないです。

あとで自分で見返せるように、新人にイラついてしまった後に後悔しながら考えていることをまとめておこうと思います。先に言っておくと、ほとんどマインドセットの話なので万人に共通するような話ではないです。

期待を共有する

「なんでこんな完成度で出してきたんだ。。全然ダメじゃん」とイラついた時は、アウトプットに対する期待が相手の考えるレベルと食い違っているのかもしれません。その場合、「ちゃんとやれよ」という注意をしても新人にとっては「ちゃんとやってるのに…」という気持ちにしかならず、お互いに不幸になります。

アウトプットのレベルや、新人自身に何を期待しているかを一度伝えて共有してみるとよいです。

他の人と比較しない

「◯◯と比べるとまだまだだなぁ」と考えてイラつくのは不毛なのでやめましょう。比べる対象は人ではなく、仕事の定量的な達成度であるべきです。特に上司の立場の人は、無意識のうちに「自分だったらこうするのに」と自分と相手を比べてしまいがちです。

誰かと比較することでライバル心が芽生える人もいますが、逆にどん底までやる気がなくなる人もいます。母親に「◯◯さんちの△△さんはこんなにいい子なのにあんたは…」とか言われてもやる気出ないですよね。大人でも同じです。

誰かと比較するのはやめて、仕事の達成度に集中したほうがお互いに幸せになれます。

全部自分が悪かったらと考えてみる

「だから言ったじゃんか…」とイラつくことは誰でもあります。そういう時、つい自分は悪くないという口調になりがちです。もちろん本当に100%新人のミスということもありますが、一度落ち着いて「仮に100%自分が悪いと仮定したらどうするべきだったか」と頭を切り替えてみるといいです。

もしかしたら、タイミングや伝え方、最初の仕事の渡し方など工夫できたところが見つかるかもしれません。そうすれば次に活かせます。

仕事の渡し方を変える

「何度やってもダメだしどうすればいいんだ…」とイラつくこともあるかもしれません。もし本当に何度やってもうまくいかないなら、非効率な仕事の渡し方をしてお互いに不幸になっている可能性があります。

自分の経験なのですが、昔アプリ開発の仕事でいつも適当なデザインで上げてくる新人にだいぶイライラしたことがありました。もう何度やってもダメなので、「もうデザインはクソでいいから速攻で実装だけ頼む!デザインの調整は全部俺がやるぞ!」という感じでやり方を変えてみたところ、非常にうまく仕事を進められたことがありました。

何度やってもうまくいかない場合は、自分の仕事の渡し方を工夫できないかと考えてみるといいかもしれません。

落ち着いて話を聞く

「あいつはなんかやる気がないなぁ」と考えてイラつくこともあるかもしれません。

当然ですが、人はそれぞれ個性があり何もかもが違います。大きな仕事を任せたら喜んでいい感じにやってくれる人もいますが、そんな人ばかりではありません。そんな人ばかりならマネジメントなんて要らないわけです。

裁量を与えられることに慣れていない人もいます。仮に自分が放置されて育ったからといって、新人も同じやり方で育つとは限らないと考えておく方がお互いのためです。もちろんミスマッチが起こらないように採用を頑張れという話でもあるのですが、ギャップが発生することはよくあることですしね。

自分と違う個性があると念頭においた上で、ある意味で期待を下げた状態で、やりたいことはあるのか、どのくらいできるのかをブレークダウンして見極めてみましょう。

できないキャラ付けをしない

イライラが続いて消耗すると、「あいつはできないからなぁ…」と期待することをやめて、無意識のうちにできないキャラ付けをしてしまいがちです。一緒に仕事をしていく上でそういった状態は健全とは言えません。「あいつはダメだ、できない」と言ったところで組織全体の生産性が上がるわけではないからです。

まわりから仕事ができないと思われるのはとても辛いものです。何を話すにも自信がなくなり、まわりの目を怖がって萎縮することで余計にできないやつだと思われていく負のスパイラルに陥っていきます。

一度できない印象が根付いてしまうと、それを自力で覆すのはかなり難しいです。これは仕事に限った話ではなく、例えば学校の教室で一度喋らないキャラで認識されてしまったらもう普通には話せなくなってしまう、みたいなことはありますよね。自力で印象を変えるには相当の勇気と努力が必要ですし、新人に対しては常にバイアスのない状態で接するように心がけた方がいいです。

愚痴る場所を選ぶ

イライラがたまるとどこかで吐き出したくなります。吐き出すのは悪いことではないですが、場所は選んだ方がいいです。以前、毎晩のように先輩同士が新人がああだこうだと言うのを聞いていたのですが、正直言って不毛なんですよね。

特にネット上で愚痴るのは危険です。ネットでは自分のことも組織のこともよく知らない不特定多数の人の目に触れますから、書いた文章だけで全てを判断されます。自分が意識していなくても、文章を書いているうちに感情が高ぶってつい強い文体になってしまうこともあります。

愚痴を吐きたくなった時はいったん感情を抑えて、吐き出す場所をちゃんと選べる余裕を持ちましょう。

最後は他の人に任せる

もうイライラして仕方ない状態になったら、他の人に打ち明けて役割を変わってもらいましょう。その方がお互いに幸せになれるはずです。

自分も、相手は新人ではなかったですが、オフショア先の人と相性が悪すぎて担当を変わってもらったことがあります。変わってもらったメンバーにはワガママを言ってしまって申し訳なかったですが、全体的に見て明らかに効率が上がりましたし、早く判断してよかったなぁと思います。

心の病は自分で判断しない

どんなにイラついても、新人が心を病んでそうな話をした時は本気で信じましょう。後で後悔しても遅いです。心の病というのは、素人には判断できません。いきなりひどくなるケースもありますし、専門医に診せに連れていくくらいの気持ちでいましょう。


なんかまとめてみるといつもイライラしてる人みたいですが、そんなことはない…はずです。

最近はそんなにイラつくことはないですが、またイラついた時に見返したいと思います。