ロロの何が俺の心を震わせるのか
この記事は、SHIROBAKO Advent Calendar 2015 1日目の記事です。1日目ですが、あまり空気を読まずに好きなことを書きます。SHIROBAKOやアニメが嫌いな人は、そっと閉じた方がいいです。
SHIROBAKOは、アニメ制作会社の現場を描いたアニメです。放映されたのはおよそ1年前ですが、エンジニアやデザイナーの現場にも通じる状況が描かれていたこともあって、放映後も話題に上がることがしばしばありました。Rebuild.fmでも何度か話題に上っていましたね。
今回は、SHIROBAKOの中で自分が一番好きなキャラ 『ロロ』について語ろうと思います。魅力的なキャラ(人間)が多数存在する中で、なぜロロ(ぬいぐるみ)に惹かれるのか、自分でもよくわかっていないので少し整理してみます。
ロロとは
ロロは、主人公宮森あおいが持っているツキノワグマのぬいぐるみです。
あおいがいつも一緒にいる眼帯のファッションドールと熊のぬいぐるみ。あおいが悩むと、彼女の心の代弁をしてくれる。たいていはミムジーが問題について疑問や不満を投げかけ、ロロがそれを諦観を交えながら諭す。
ー 公式サイトキャラクター紹介より
初登場は 第3話『総集編はもういやだ』と意外と遅めですが、エンディングでは第2話から登場していました。
ロロと私
放映はリアルタイムで見ていたのですが、わりと初期からロロに夢中でした。熱狂していたと言ってもいいかもしれません。
第15話『こんな絵でいいんですか?』では、アニメ制作現場の用語解説のためにロロがたくさん登場していて、自分にとってはサービス回でした。気づいた時には、ロロが登場する時に流れる音楽を聞いただけでワクワクするようになっていました。
しかし、なぜここまでロロに惹かれるかは自分でも謎でした。ワンピースのチョッパーや、夏目友人帳のニャンコ先生、たまこまーけっとのモチマッヅィのように、アニメの中でいわゆるマスコットキャラが登場するのは珍しくありませんが、ここまで心惹かれたことはなかったからです。
また、他のSHIROBAKO好きな人に 「ロロ最高だよね」と話してもあまり共感を得られず、そもそも自分がなぜロロに惹かれるのか整理してみないといけないなぁと考えるようになりました。
ロロの何がロロたらしめているのか
ロロに限らず、自分が特定のキャラクターを好きになる時は、声・見た目・キャラ設定のどれか、あるいはそれらの組み合わせで決まることが多いです。例えば、囮物語の千石撫子はブチ切れシーンの声が最高でしたが、見た目やキャラ設定に特別惹かれているわけではありません。
そこでロロに関しても、声・見た目・キャラ設定のどれが自分の琴線に触れるのかという点に意識を向けてみます。すなわち、 自分にとってロロをロロたらしめている要素は何か という話ですね。
見た目
ロロの見た目はよくある2〜3頭身キャラです。ぬいぐるみなので、モコモコとしたフォルムが印象的ですね。
実は、ロロの見た目はシーンによって目が小さかったり、頭身が少し大きかったりと多少異なります。
例えば、こちらは目が少し小さく離れています。
逆にこちらは目と目の間が近いです。
目先のことばかり考えている次期はもう終わりだよ。そろそろ、少し高い所から遠くを見る時がきたんだよ。 : SHIROBAKO名言集 - NAVER まとめ
こちらは少し首が細いですね。
個人的に一番好きなのはこのロロの見た目です。
これらの微妙な違いでも可愛いか可愛くないかの印象が変わるので、自分にとって見た目もそれなりに重要な気はします。
声
ロロの声は、宮森あおい役の木村珠莉さんが演じています。初期では、宮森の口パクシーンがありましたが、だんだんとロロ自身が自我を持ち始め、勝手に話すようになりました。
ロロの声は少しくぐもった感じで、系統としてはぼのぼのに近いです。思えば子どもの頃はぼのぼのも好きだったので、自分にとってロロの声質は大きな要素なのかもしれません。
キャラ設定
ロロはサブキャラなので本編ではあまり内面を描かれることがありませんでしたが、台詞からその人となり?を垣間見ることができます。
「全部を一度には無理でもね、小さなことからコツコツやればいつか終わるよ」 https://twitter.com/shirobakobot/status/665498372040601600
「目先のことばかり考えている次期はもう終わりだよ。そろそろ、少し高い所から遠くを見る時がきたんだよ」 https://twitter.com/shirobakobot/status/667038519265595392
少ない出番の中でも本質をついた発言が多いので、今まで苦労してきたのかなぁと思っていたら、何やら辛い過去があったようです。
【SHIROBAKO】15話で分かるように演出の山田はウナギ好き。水島監督によるとアナゴではダメだそうです。監督のそんな呟きを宮森のようにメモしています。ロロのお腹は月の輪のプリントミスで、「不良品」だとみんなに苛められていたところ、ミムジーだけが仲良くしてくれたのだそうです。
— 堀川憲司 (@horiken2000) 2015, 1月 26
ロロのおなかの月の輪を、ミムジーは「かっこいい」と言ってくれました。
#musani
— 水島努 (@tsuki_akari) 2015, 1月 31
このエピソードを知ると、本編でロロが 「ズレてる月の輪なんて気にしない♪」と言っていたシーンが深い意味を帯びてきますね。
声 > 見た目 >>> キャラ設定
以上を考慮して考えてみると、自分はどうやら 声 > 見た目 >>> キャラ設定の順で惹かれているようです。
あの愛らしい見た目に心を奪われているのだと思っていましたが、みゃーもりにロロの声を当てている以下のMADを見ても同じように惹かれるものがあったので、声の方に魅力を感じているのだと思います。
キャラ設定もすごく染みるものがあるんですが、自分にとって重要な要素ではない気がします。例えば、ロロが 「わけがわからないよ」とか 「どうして人間はそんなに魂の在り処にこだわるんだい?」とか言い出したとしても、同じように惹かれていただろうなと感じるからです。
SHIROBAKOのオールナイト上映でも、一番テンション上がったのは声優の木村珠莉さんが生ロロ声を披露した時でした。SHIROBAKO音頭もロロの合いの手の声だけでにやけてしまいますしね。
ロロの全てが好きなんだと言ってしまえばそれまでですが、あえて何が俺の心を震わせているかと聞かれれば、 あのくぐもった感じの声だと言うことができそうです。
心にロロを持つということ
思えば、特定のキャラクターにここまで熱狂したのは ドラえもん以来かもしれません。
ロロはみゃーもりの内面が具現化したものとして描かれていますが、水島監督は 全ての人の心にミムジーとロロがいる と言っています。
「SHIROBAKO終わって疲れちゃったから、これからはもう余生でいいよね」
「甘ったれんなー」
と、鉄拳制裁。
「余生じゃないよ。まだスタートラインだよ」
そんなふうに、ロロに諭されたい。
— 水島努 (@tsuki_akari) 2015, 5月 10
今さらなんですが、ここまで書いたものを読み直してみて、自分は少し疲れているのかもしれないなと感じました。もうちょっとしたら、自分にもロロとミムジー的な何かが自我を持って語りかけてくるかもしれませんね。
ミムジー「レビューレビューレビュー!なんでこんなにPullRequestを見なきゃいけないのさ!」
ロロ「仕方ないよ、ミムジー。ユーザーに価値を届けるためには必要な工程なんだよ?」
ミムジー「ふんっ!タイポの指摘は人間のやることじゃないね!」
ロロ「あちゃー」
ロロに怒られないように、明日も頑張ろうと思います。私からは以上です。