Konifar's WIP

親方!空からどらえもんが!

Kyashに入社して1年3ヶ月くらい経ちました

時が経つのは早いもので、入社半年くらいの時に近況を書いてから9ヶ月くらい経ちました。

課題はたくさんありますが、今までの経験の中では結構楽しくやっているので、あとで見返せるように記録を残しておこうと思います。

やっていたこと

プロダクト開発全般 : ユーザーサポート : 採用 = 6 : 3 : 1 くらいでやっていました。

  • プロダクト開発全般
  • ユーザーサポート
    • SNS対応、レビュー対応、問合せ対応、効率化のためのツール開発
  • 採用
    • ブログ執筆、Meetup登壇、スカウト、面談・面接

プロダクト開発全般

ユーザーの目に触れる大きめの開発だと、以下の3つくらいです。見返してみると結構少ないですね。

その他細かいものをあげるとこんな感じでした。

  • 100万円上限超過時の対応 Android
  • クリスマスや正月のイースターエッグの追加 Android
  • 不正端末の検知ロジックの改善 Server
  • EspressoによるUIテストの導入 Android
  • AndroidアプリのUserモデルやTimelineモデルのリファクタリング Android
  • 特定のオーソリの場合に履歴画面に説明を表示 Android, Server
  • アルカード申し込みフォームの改善 Web
  • 請求のリマインド Android
  • 問合せ画面の改善 Android, Server
  • 問合せ対応効率をあげるためのツール作成 Server
  • メンテナンス画面・利用制限画面の改善 Android

個人的には、イースターエッグ部分の実装を抽象化したことで、アニメーションを簡単に追加できるように作れたのが楽しかったです。

もうすぐお花見の時期なので、Kyashで割り勘することがあればぜひ試してみてください!

以前はAndroidにかなりの時間を割いていましたが、今は2〜3割くらいになりました。もちろんAndroidの開発に集中する時もありますが、平均するとたぶんそのくらいです。

それ以外は何をしているかというと、goでサーバーサイドの開発をしたり、タスクの細かい仕様を決めたり、リリースに向けてプロジェクトマネジメントっぽいことをしたり、ユーザーサポートの手伝いをしたりツールを作ったりしています。そのときどきに組織で一番必要だと思うことを声を上げてやっている感じです。

Pull Requestの数は400個くらいでした。

分類 PR数
android 212
api 72
website 65
admin 18
others 34

平均すると、2.2個/weekdayくらいですね。今までずっと3個/weekdayくらいのペースだったので、開発自体ちょっと少なくなっているのかもしれません。

いま社内でAndroidを開発しているのは自分だけですが、手が回らないほど忙しくて大変ということはありません。Kyashで本当に大変なのはサーバーサイドの開発なんですよね。クライアントサイドの開発はAPIから取ってきたデータをわかりやすく表示し、少し更新するくらいなのでそこまで難しくはないです。もちろんセキュリティを考慮した実装が必要な部分もありますが、改善タスクをリリースするだけであれば、まだ1人でも回せるくらいのタスク量だと思います。

一方で、本来クライアントで力を発揮しなくてはならないのはユーザー体験にフォーカスした実装なんだよなぁとも感じています。例えば、アニメーションやトランジションにこだわったり、ロード中の見せ方を工夫したりといった「オッやるな」と思わせる部分については、まだまだ改善できるところがたくさんあります。もう1人Androidエンジニアがいたらそういうところもこだわって最高のアプリにできる自信があるので、Androidエンジニアを絶賛採用募集中です。少しでも興味を持ってもらえるといいなと思って今この記事を書いています。

とはいえ、今のKyashではAndroidの細かいブラッシュアップよりも優先するべきことがたくさんあると感じていて、Androidアプリ開発にこだわらずやるべきと思ったことを自分で推し進めているみたいな感じです。

Android開発の最前線をキャッチアップできていない不安はないかと言われると、まあないわけではないんですが、今はこの働き方が心地よいんですよね。チームで成果を出すことに集中したいという気持ちもありますし、以前奇兵隊という会社で少人数でやっていたところからQuipperに転職した時に一度解消された不安なので今はそんなに気にしなくなったのかもしれません。

もちろん、stsn_jpさんSTAR_ZEROさんのように、日々ちゃんと手を動かして得た知見を丁寧に共有している人を見るとちょっと焦りますけどね。その度に自分の中での優先順位を思い出して気持ちを落ち着かせています。

ユーザーサポート

前回6月に記事を書いた時からプロダクトの成長が本当に凄まじくて、運用が追いついていないというところに課題を感じていました。「もっとここをこうして効率化できないの?」みたいなことを外から言うだけだと言う方も言われる方もイライラしてしまうので、8月くらいにユーザーサポートのチームに入って一緒に問合せ対応や運用業務をさせてもらったりしていました。業務をキャッチアップする時には、モブプロならぬモブオプスという感じのことをやってみたりもしました。

konifar-zatsu.hatenadiary.jp

よりユーザーに近い立場で仕事をしてくれているメンバーとの距離が近くなったことで要望を聞きやすくなりましたし、普段の業務を知ることで開発観点での改善の提案をできるようになったのはとてもよかったです。自分が普段業務に集中できているのはユーザーサポートを担ってくれているチームのおかげなので、感謝と申し訳なさが混じったような気持ちで頭が上がりません。

今はチームからは離れてしまいましたが、一度近くで仕事をした分コミュニケーションを取りやすくなったと感じています。相手もそう思ってくれていると嬉しいですね。

10月・11月の障害と自動チャージ利用制限

10月、11月に大きめの障害がありまして、ユーザーの皆さまには不便をかけてしまい申し訳なかったです。

障害の時に自分がどういう動きをしていたかというと、SNSやメール、アプリ内のお知らせといったユーザーへの周知全般を取りまとめていました。障害発生時に自分が最初にユーザー周知まわりのタスクを取りまとめたので、そのまま3週間ちょっとやりきったという形です。

「文章を考えて逐一状況をユーザーに報告するだけ」というと簡単なのですが、多数のユーザーに対して曲解されることなく伝わる文章を考えるのは想像以上に大変なことなのだと身に沁みて理解しました。「もっと早く定期的に伝えろ」という真っ当な意見から「クズ」「死ね」といった言葉まで色々なフィードバックをもらいながら、『伝えられる状況を整理して伝えつつ運用を整理する』という仕事を3週間くらいやって、以前よりはずっと洗練されたオペレーションでユーザーに連絡できるよう整備できました。周知が遅かったという点についてはもちろん事情があるんですが、そんな事情はユーザーにとっては関係ないので今後もオペレーションを改善していきます。

「そういう事態に備えて最初から準備しておけよ」と言われるとそのとおりだなぁと思うのですが、「それくらいやっておけばいいじゃん」みたいな話が本当に無数にあるんですよね。まあ優先順位を見直してやっていくしかないと思うので、防災訓練みたいな形で進めていこうと考えています。何かが起きた時のアプリ自体の改善も実際に進めています。今のKyashにはまだまだ至らないところも多いと思いますが、直接伝えていただいた意見はしっかりと受け止めて改善していきたいと思っているので今後もよろしくお願いします。

余談ですが、一度こういう運用側の経験をしておくと、サービスが何か問題を起こした時にめちゃくちゃ優しくなれます。Paypayが決済障害を起こした時、自分は心の底から応援していました。

チームの雰囲気

以前、Kyashで退職者が続いたことを書きました。今はどうかというと、もちろん退職者は何人かいましたが、それ以上に入社してくれる方も増えて少しずつチームとしてまとまってきているのではないかと思います。

退職者の中には自分がめちゃくちゃ頼りにしていた人もいたので多少不安にはなりましたが、今のところ何とかなっています。退職者が出るたびに「俺が3人分になる」と気持ちを切り替えることにも慣れました。幸運なことに、新しく入社していただいたCTOもManagerもエンジニアもデザイナーも素晴らしい人ばかりです。人事や労務といったコーポレートチームのメンバーも常にまわりのことを考えて仕事をしてくれていて、よい雰囲気の作り方などは特に勉強になるなあと思いながら仕事をしています。

いいことばかり書いているとムズムズしてくるので悪いことも書いておくと、根本の原因というか組織課題みたいな部分は未だに残っているなと感じています。OKRはうまくいっている気がしないし、意志決定の遅さに歯がゆい思いをすることもあります。入社後のオンボーディングも、他の会社と比べて整っているとは言えません。

とはいえ、まだ小さな規模の組織なので自分の行動で何とかできない話かと言われるとそうでもなく、声をあげて行動すれば変えられるレベルだと感じています。課題はたくさんありますが、「まあそんなもんだよね、何とかしよう」という発想でやっていけるというか、自分にとっては闇落ちして退職したくなるようなレベルではないです。

声をあげる中でついキツい言葉を使ってしまって後でやってしまったと結構落ち込むことはあります。また、こうした方がいいと声をあげて進めたことが、実は他のメンバーは気に入らないんじゃないかと不安になることもあります。実際に話してみるとそういった不安は毎回杞憂なので結局自分の性格の問題でしかないのですが、他の人ももっと意見をちゃんと声に出して言ってくれればいいなと感じることもありますね。

Managerが1人辞めた後で別のメンバーと飯を食っている時、「konifarさんもモチベーション下がって辞めちゃうんじゃないかと思った」と言われ、かなり驚いたことがありました。自分としては毎日ニコニコ仕事していたつもりだったので、「あぁ、マイナスの状況だけでなくニュートラルな状況も明確に相手に伝えないと伝わらないものなんだなぁ」と感じて、念のためシャチョーに「今のところ自分は辞める気ないですよ」とDMを送りました。

採用とKyash

自分の知り合いの何人かには直接声をかけさせてもらっています。いわゆるリファラル採用ですね。

Kyashは正直自信をもってオススメできるとは言い難いのですが、少なくとも自分にとっては人を誘える閾値を超えた魅力のある会社だと思うので、リファラルで声をかけることには抵抗がありません。そもそも100%自信を持って人に勧められる会社というのは逆に健全ではないというか、問題を正しく認識できてないだけなんじゃないかという気もするんですよね。

もちろん選考に進むとなれば認識の齟齬がないようにネガティブな情報も全て伝えたいと思っています。隠して入ってもらったところでお互い不幸になるだけなので、できうる限り誠実に情報を提供しています。

その上で入社を決めてくれた時はとても嬉しいですが、中の課題を知っている分不安もいっぱいです。まあそういう不安は受け入れた上で、入社してよかったと思えるような組織にできるよう工夫していくしかないと思っています。

ちょっとネガティブなことを言いすぎたのでいいところを書いてバランスをとっておこうと思うんですが、少なくとも自分にとってはKyash楽しいですよ。

メンバー全員がKyashのプロダクトのことを考えていて、昼ご飯を一緒に食べに行くと必ず「ここはこうした方がいい」「こういう施策はどうか」みたいな話が出るので会話に困りません。共通の話題があるので気が楽で、Kyashにきてからお昼を一緒に食べに行くことに抵抗がなくなりました。

シャチョーをはじめ、Bizdevの力で「そんなの実現できるのか」という話が毎週のように入ってくるところも楽しいですね。Bizdevだけではなく、OpsやCorporateも含めて自分よりずっと優れた強みを持っている人がたくさんいるので、自分も成果を出すべきところで出さなければとヒリヒリします。

よく「Paypayやメルペイのことどう思ってるの?」と聞かれるんですが、社内では「一緒に現金を倒そうね!」みたいな応援モードです。KyashはVisaと組んでいて加盟店開拓を自分たちでやる必要がなく、自社の経済圏に囲い込むような設計のサービスではないという特異なポジションにいるからか、あまりバチバチな感じではないです。もちろん決済サービスの多様化はユーザーにとって好ましいことではないし、長期的に見ればパイの奪い合いになると思いますが、今はKyashというサービスをどうよくしていくかに全員がフォーカスしています。他社アプリのここいいね!取り入れたいね!という会話はありますね。

個人的には、メルペイがなかなかリリースされなかった時は「kobakeiもnarisawaも取ったんだからしっかりしろよ」とは思ってました。リリースおめでとうございます!

歯がゆさと楽しさ

開発しても出せなかった機能、ユーザーに伝えたいけど伝えられない仕様、これから出そうとしているワクワク機能など、Kyashで働いていると歯がゆい気持ちになることが多々あります。自分は口が軽い方なのでペロッと言ってしまわないように毎日気をつけています。この記事も、シャチョーや法務にレビューしてもらっています。

感覚としては、ババ抜きを俯瞰して見ているような楽しさがあるんですが、Kyashについてちょっとズレているなぁと思うことがTwitterで呟かれていても直接伝えることができず「ぐぬぬぬ」となることもありますね。おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。

次の半年でどんな変化があるのか楽しみです。まだまだ進化の途上にあるKyashについて色々な意見はあると思いますが、生暖かく見守ってくれると嬉しいです。その分応えられるようがんばります。

では、最後はいつものようにこれを置いておきます。Let's Kyash!

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